肉弾戦は時代遅れか ~琉球ゴールデンキングス対長崎ヴェルカ雑感~
「どすこい」という揶揄
今年のB.LEAGUEファイナルは面白い組み合わせとなった。
26チームあるB1の中でも琉球ほど揶揄されやすいチームも無いだろう。
琉球のバスケを「どすこい」バスケとか「お相撲」バスケと呼ぶ人がいる。
ジャック・クーリーとアレックス・カークという重量級の5番を2枚並べてプットバックを量産する戦術は、たしかに肉弾戦の様相を呈している。
琉球のバスケは古いと言う人もいる。
ひと昔前まで、日本バスケ界には外国籍ビッグマンを主体としたチームが多かった。B.LEAGUE開幕時にアルバルク東京が外国籍枠の一つをガードのディアンテ・ギャレットに使った時は驚きを持って報じられたと記憶している。今ではペリメーターの外国籍をよく見かけるようになったが、当時は外国籍と言えばビッグマンだったのだ。
また、琉球のバスケを古いと感じる人がいるのは、「現代バスケ=スモールボール」という認識が根付いていることが背景にあるのかも知れない。
相手がスモールの長崎だけに、その対比から琉球の特徴がより際立つということもあるだろう。
馬場雄大やスタンリー・ジョンソンはスイッチに対応できる現代的なウイングだし、コネクター的なアキル・ミッチェルとプレーメーカーの要素を持ったジャレル・ブラントリーというフロントコートの組み合わせも今風だ。
以前「トゥオマス・イーサローのバスケ進化論とB.LEAGUEの地殻変動」というレターでも書いた通り、インテンシティの高いディフェンスから一気にリムへ向かう長崎のチームスタイル自体もトレンドに乗っている。
たしかに琉球が長崎より現代的かと言われれば、強くは首肯しかねるところがある。
1勝1敗が突きつける事実
このCSを無傷で勝ち上がってきた2チームのファイナルは、現在1勝1敗である。
ゲーム1は得意のリバウンドで圧倒した琉球が71対69で勝利した。クーリーは12点、13リバウンドのダブルダブルを記録し、存在感を見せた。ゲーム2は長崎が機動力を生かしたディフェンスで琉球に15個のターンオーバーを誘発させ、シリーズをタイに戻した。前日不発だったスタンリー・ジョンソンが25得点と気を吐いた。スコアは66対60だった。
2チームが対照的なので、玄人でなくとも試合を観ていてどちらが主導権を握っているのかわかりやすい。
長崎は持ち前の運動量で前からプレッシャーをかけてあわよくばスティールを奪い、トランジションオフェンスから決めきりたい。一方の琉球はリバウンドを制圧することでテンポをコントロールしたい。オフェンシブリバウンドからのセカンドチャンスポイントを長崎のファーストブレイクポイントより決めることができれば上々だ。
果たしてゲーム3はどちらが先に主導権を握るのか……待てよ。
ここで我々が気づかなければいけないのは、古いと思われている節のある琉球が最先端とされる長崎と接戦を続けているという事実である。
それどころか、ゲーム1を先取してゲーム2で長崎にアジャストを強要したのだ。
琉球が本当に古いチームなら長崎を相手にゲーム3までもつれる熱戦を演じていないだろう。むしろファイナルに勝ち上がることだってできなかったはずだ。
