愛はバスケを救うのか ~ドラフトでの指名回避大量発生を見て~

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大柴壮平 2026.02.07
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困った時の「島田のnote」

先日、記念すべき第1回Bリーグドラフトが行われた。

結果は1巡目に6人、2巡目に2人、3巡目に3人の選手が指名を受けることになった。26チーム中12チームが指名を回避。3チームはそもそもドラフト自体に不参加だった。

まずは指名を受けた選手たちに祝福の言葉を贈りたい。おめでとうございます。皆さんの前途に明るいキャリアが待っていますように。

さて、当然だがファンの間では指名回避が多かったことが話題になった。現地には18人のドラフト候補生が集まっていた。ノーザンコロラド大の山﨑一渉が不在だったので、差し引きで8人が指名を受けずに悔しい思いをしたことになる。

なぜこんな事態になったのか。

昨今のバスケ界隈で奇怪な事件が起きた時、我々が当てにするものはただ一つだ。

そう、「島田のnote」である。

私が島田慎二チェアマンを尊敬しているところは三つある。ドラフト後の島田のnoteにはその全てが詰まっていた。

一つ目は、その圧倒的な活動量だ。

毎日どこかしらを飛び回ってミーティング、講演、視察に精を出す傍ら、ファンからの疑問については「島田のnote」で真摯に答える。

今回のドラフトについても他の案件にしてもそうだが、わざわざ島田チェアマン自身が発信しなくてもいい内容だ。それにも拘らず自分の言葉で意見を聴かせてくれるのはありがたいことだと思っている。

当該の記事も、何が大変だったのか、それでも何故踏み切ったのか、終えてどう感じたのかということが深く理解できる内容だった。

二つ目に、島田チェアマンのポジティブさも特筆したい。第1回ドラフトについてのファンの反応はかなりネガティブだった。指名回避が続く異常さ、取り残されたドラフト候補生たちへの感情移入などがその要因だ。

しかし、島田チェアマンはこう言い切っている。

「今シーズン開幕前にプロ契約を完了すると今ドラフトを回避して、意中のクラブと契約できるということもあり、既に注目選手たちもたくさんプロ入りして活躍しています。また、現行ロスターでサラリーキャップを調整しなければならないクラブも相当数あった中で、11名の指名はかなりポジティブにとらえています」

辛気臭い人や妙に冷静な人が上に立つよりも、こういうことを書ける人が上にいる方が絶対にいい。空気という目に見えないものに左右されやすい日本人の国民性を考えたら尚更だ。

最後に、その実行力を挙げよう。

「ドラフトをスタートしようとしたのは、この改革のタイミングを逃したら、なかなか出来ないのではないかと思ったことです。相当賛否両論でますし、タフでなければ難しいので、スタートを切って、ブラッシュアップを未来に託すことが大切なことかなとも考えました」

賛否両論は認識しつつも断行したということだ。

あれこれやらない理由ばかりを挙げて結局何も起こらないのが世の常だから、島田チェアマンの「まずはやってから考える」という手法は賞賛に値するだろう。

さて、私がいかに島田チェアマンを尊敬しているかがわかってもらえたところで、今回の闇鍋は尊敬している部分以外についての話だ。

島田チェアマンの行動指針

島田チェアマンは愛の人だ、と私は思う。

島田チェアマンが千葉ジェッツの社長時代、島田塾と称する勉強会を開催して他クラブの経営者にノウハウを共有していたのは有名な話だ。

島田チェアマンの「できうる限りの人を救う」「みんなで一緒に成功を収める」という精神はBリーグチェアマンになってからも健在で、特にそれが発揮されたのがコロナ禍だった。

コロナ禍においても「一つのクラブもつぶさない」と宣言した島田チェアマンは、三本の矢と称する緊急措置を取った。

三本の矢とは、「全36クラブへの合計7億6000万円の特別支援金」、「ユニフォームスポンサー枠の緩和」、「リモート観戦の視聴環境整備と課金の仕組み作り」のことを指す。

クラブにとって特にありがたかったのは特別支援金だろう。

島田チェアマンはコロナ禍で国から支給された1人10万円の特別定額給付金を参考に、B1のクラブには3000万円、B2には1000万円を返済義務無しで配分したという。

「銀行から低利子貸し付けなどを受ければ、返済義務がクラブの経営負担になってしまうため、こうした危機時には『返さなくていいものを用意すべき』というのが私の持論。そのために資金創出に奔走しました」

当時は無観客が当たり前、チケット販売を再開してからも厳しい人数制限が設けられていた。チケット収入はスポーツクラブ経営の柱だから、多くのクラブがピンチに瀕していたのは想像に難くない。この特別支援金のおかげでコロナ禍をギリギリ乗り切れたというクラブも複数あったのではないだろうか。

島田チェアマンが意識しているか、それとも無意識かは定かではないが、おそらく彼の根底には、可能な限り切り捨てずに多数を救う、という行動指針があると思われる。

これが島田チェアマンは愛の人だと書いた所以である。

善人か悪人かと言われたら、島田チェアマンは間違いなく前者に入るだろう。しかし、トップが愛のある人柄で良かった、めでたしめでたし、とならないのが人の世の難しいところで、特にB革新で生まれている歪みは島田チェアマンの愛の深さに起因していると私は見ている。

愛、故に生じた歪み

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