私はAI
Game Time Runway
まずは下記リンクの冒頭の動画を見てほしい。
注目してもらいたいのは私の下手くそなハンドリングではなく、BGMの方だ。
この動画は音楽家の岩崎太整さんが製作したもので、音楽も太整さんの手による。
流石プロ、悪ノリで作った動画にもちゃんとした曲を書くものだ、などと最初は感心していたが、後で気づいた。
ラップはどうやって作ったのだろうか。
気になって本人に聞くと、なんとラッパーはAIとのこと。
「今のAIってすごいよね。全くの素人がやってもこうはならないけど、ちょっと音楽を知っている人が使えば、プロが聞いてもAIで作ったとはバレないクオリティのものが作れるんだよ」
と教えてくれた。
まずChatGPTにテーマを与えて歌詞を書かせる。それをSunoという音楽生成AIに歌わせる。簡単に言えばそういう手順だそうだ。
ちなみにこの曲は”Game Time Runway”というタイトルで、よく聞くと”Warm-up jacket”やら”Scoreboard”やら”Full Court”といった言葉が聞こえる。
太整さんは『竜とそばかすの姫』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞しているので、ちょっと音楽を知っている、はいささか謙遜が過ぎる。
とは言え、音楽を知っている人の方がAIを使いこなせるという話には合点がいった。近頃私も思っていたのだ。
執筆にAIを使う場合も、文章を書けない人より書ける人の方が圧倒的に有利だと。
執筆の場合
ChatGPTが登場した当初、私はAIによる執筆に懐疑的だった。
よしんば説明文は書けたとしても読み物は書けまい。
ところが、ローンチ以降各生成AIは急速な進化を続け、出始めの頃とは比べ物にならないレベルに達した。
相変わらず説明的な内容の方が得意だが、プロンプト次第では読ませる文章を書くこともできるようになってきた。
私が使い始めた時期は覚えていないが、使うようになった動機は覚えている。AIを使って調べものの手間を省けないか、と考えたのだ。今ではGoogle検索のトップにAIが生成した回答が出てくるが、あれと同じことを随分前からやっていた。
一度使い出すとAIの進化にも敏感になる。じきに校正に使ったり、いわゆる壁打ち相手としても使うようになった。そして今では一定条件が揃った場合に限り、AIに下書きまでさせている。
一定条件というのは、インプットが自分の経験ではなく検索結果や文字起こしデータで済むこと。かつアウトプットが自分の感想や主張など、主観の要らない説明的な文章であることだ。
もちろん、結果が上手くいくよう丁寧に指示を出すし、出来上がったものには必ず手を加える。
これは普段文章を書いているからできることだ。全くの素人の場合、よしんば指示はできてもAIの文章を添削するのは難しいだろう。
AIから受ける恩恵は玄人の方が大きいこと、音楽家のそれと同じなのである。